無題 色々様々諸々 2010年07月04日 山田和重『グラン・バガン』読了。大航海時代が舞台の歴史もの。というより歴史ファンタジーかな、軽さ的に。何というか脇役が濃くて主人公が薄い。それがちょっと目立って読みづらかった。うまく云えないけどバランスが悪いなあと思った。打ち切りのカウントダウンが始まっていた、と考えたらこの詰め込みは仕方ないのかもしれないけど……何か軽い。何かおかしいと感じるものが点在してる。何だろうな……やっぱり主人公の薄さかな?でもキャラは面白かったなあ。飄々とした美形のシェイクスピア、ガチロリなエリザベス女王、渋くてかっちょいいおじさまなフランシス・ドレイク。どことなく90年代の匂いが漂うと云っちゃそれまでだけど、面白くはある。故に主人公が(ry読み切り版『グラン・バガン』も載っていたけど、普通にこちらの方が面白くね? って感じだった。何で主人公バガンの主君を明智光秀から仙石秀久に変えてしまったんだろう? 何で信長を倒す!っていう目的を連載版で無くしてしまったんだか。少年漫画はそこ大事だと思うんだけどなあ。読み切り版バガンの行動理念なら、連載版でも全然イケると思うんだよね。非道な手を使い、海に出て世界を狙う、影武者を使って生き延びていた信長と光秀を追いかけていく主人公とか、いかにも戦国時代・いかにも大航海時代の一幕という感じで、少年漫画らしく分かりやすくもあっただろうになあと。あと少し和月和宏(るろ剣の人)に似てるな、と思って調べたら和月先生のアシやってた人だったのか。そうでなくてもこの漫画全体に漂うのは90年代の匂いなのに、絵柄も作風もこうまで似通ってちゃあ、キビシイなあ。でもこの漫画の着眼点はすごい好き。惜しい! と本気で思います。もう少し連載が続いていたら、そもそも読み切り版の路線で連載されていたら、どうなっていたんだろうなあという妄想が膨らみます。ただし一つ云いたい。豊臣秀吉が天下統一したのは1584年じゃないぞ1584年だと四国と九州と小田原がすっ飛んじまう。島津家が沖田畷の戦いのさなかで支配されたことになってしまう……!とにもかくにも、惜しさが滲む作品だった。好きだからこそオリジナリティが欲しかったな。ていうか仙石秀久ね……ちゃんと描かれない名前だけの登場なら、明智さんでよかったんじゃないのかね、やっぱりそう思えてならない。仙石の部下である意味も理由付けも分からないんじゃあね。こういう歴史ものの漫画、もっと読みたいなあ。河惣益巳さんとかは面白そうだわ。大航海時代が舞台の作品もあるみたいだし。ていうか戦国時代と大航海時代ってちょうど重なるんだよな……何だか胸が熱くなるな。好奇心をくすぐるという意味で。 PR