無題 色々様々諸々 2020年01月03日 自分はNLBLGL人間人外何でもOKという節操のない嗜好ではあるけども、傾向については苦手というものもやっぱりあったりして、新規開拓に常に難儀しています。 リバがダメで、近親相姦苦手で、ハーレムと総愛され系含む三角関係が地雷。いや三角じゃなくても四角でも五角でも、何これ算数?って状態の多角関係がダメだったりしますね……それぞれに苦手な理由はあるけど、三角関係が苦手なのは、ひとえに選ばれなかった方が可哀想だから。その場合、大抵良い人が選ばれなかった方で、良い人が報われない・幸せになれないっていう状態が純粋に辛いから。そして主人公と、主人公とくっ付いた側のキャラの2人に振り回される追い打ちやめたげてよお!にしかならないから。 『女体化した僕を騎士様達がねらってます ― 男に戻る為には抱かれるしかありません!』も、正直これはBLなの? TLなの? といったジャンル分けの疑問よりもまず、三角関係ものかー! どうせ良い人側が割を食うんでしょ知ってる! と思わずにはいられないまま、新しい話まで読み進めてました。しかし長いタイトルだよね……まさにタイトル通り”女の身体になる呪い”にかかってしまった主人公・アルトが、容姿と家柄はいいけど女癖最悪の不良騎士・ロイドと、優しくて誠実で品行方正が服を着て歩いてるような奴と称される騎士・リューンの2人に、毎夜起こる女体化の呪いの解呪方法である”体の中に男の精液を受ける”為に毎晩抱かれてしまう、というストーリー。もうHシーンの為にあるようなあらすじだよなこれ。そういうハチャメチャを難しいこと抜きで読むやつだ。 タイトルには騎士様達が狙ってます!……とあるけど、相手役であるその騎士様ってのはこのロイドとリューンの2人。なので実質三角関係だったりする。アルト君は設定上は赤毛だけど漫画だから黒髪で可愛い子なんだ。でも強かでしっかりしてて、それでいて可愛い。女体化したら、甘い匂いのするぼんきゅっぼんになるので、もうどっちも可愛いじゃんてことで、男の身体に戻っても男の身体でHシーン続行しちゃうって辺り、他に類を見ないかなり斬新な漫画。黒髪で可愛い受けさんがいる作品が読みたいってことでオススメに入ってた作品だけど、自分的にかなりアタリだった。作品としても、濡れ場だけじゃなくてちゃんと当事者であるアルト君はもちろんのこと、ロイドとリューンの2人も、この呪いを解こうと頑張っていて好感が持てるし、呪いを軸にした物語の骨組みもしっかりしてて面白いんですよね。Hシーンが売りの作品でもこういう土台の部分で手を抜いてないのはやっぱり面白い。何より主要キャラ3人に関しても、変な癖が無くて引っかかりが無くて好感が持てる。読み進めていくたびに好感度も上がる上がる。 ロイドは最初の方こそ女癖悪くて常識もない上、割と俺様なロクデナシで、全く知らなかった事とはいえ自分が受け取った”女体化する呪い”をアルト君に渡してしまった、という負い目のある立場ではあるんだけど、回を追うにつれて段々根っこの部分の、純粋で良い奴という面が出てくる。最初はマジでそりゃアルト君じゃなくても嫌うわと思うような奴だけど、色々複雑な境遇で育ってきてしまっただけで根は悪い奴じゃないんだなっていう、純な部分を露わにする表情が良くてね。ロイドは顔に出る人なんだよな、それがすごく良くてさ。アルト君のこと素直でいい子と称してたけど、あんたも大概だと思うと云いたくなるくらい、素直に喜怒哀楽を露わにするからこそ、裏表がなくて、こいつ良い奴だなってなる人。 リューンははじめからアルト君に尊敬されている憧れの人キャラ。ロイドの従兄弟ではあるけど全くの正反対で、王子様・貴公子という言葉そのままの人。そして呪いに関して一切関わりが無い、本当にただ巻き込まれただけなのに、親身になってくれるとかどんだけ良い人なの? を地で行く人。でもそんな隙のない人でもさ、回を重ねていくうちにどんどん闇が出てくる。ロイドに対する劣等感からくる、自分自身の存在を認めてほしい承認欲求を抱えつつ、幼い頃からロイドに振り回されていても結局心から嫌いにはなりきれずにいる事だとか、打算的で計算高い一面の持ち主である事なんかが露呈していく。それでもやっぱり根っこがいい人なんだよね、闇が見えることで深みが出て、単なる良い人で収まってないところが、リューンもいいキャラしとるよなあって。こんなハチャメチャな作品の登場人物じゃなかったら、ロイドに対する劣等感を燻らせて、大いに拗らせまくって闇落ちしてるであろうタイプと云うと分かりやすいかも。でもアルト君を挟んで2人とも救われてる。救われてるというか、なんだろ……「アルトの呪いを解かなくては」という結託によって、元々従兄弟で信頼が出来上がっていたものが、より固く結ばれたんだろうなと感じられる所がまたいいなあって。2人ともアルト君に対して恋慕を向けてるんだけど、どっちもお互い相手を悪く云ったりしないんですよね。あいつは良い奴だ、何だかんだ憧れてるんだと、アルト君に伝えたりしてる。意中の子と2人きりになった時に恋敵を悪く云わないってだけでも好感度高いのに、2人の男同士の絆の深さも垣間見えて、もうどんだけ良い人らなんだと。でもキラキラトーン付き背景で「今日の相手はどちらを選ぶ?」のページは大爆笑しましたけどね。読者サービスだとしてもあれはギャグだわ。 アルト君はアルト君で、ロイドは嫌い、リューンは好きとズバッと云っちゃういい性格してるしね。変にいい子ぶってなくてそれを隠しもしてなくて、知恵が回る分ホント強か。こういう子大好きだ。でも女体化してからの時間は、状況が状況だから仕方ないとはいえ困ってるか泣いてるか喘いでるかの表情しかないから、笑ってる表情も一度くらいは見てみたいなと思う。 男の方でも呪いの事で張り詰めてて、難しい顔してばかりのアルト君の笑顔が多いという事で、3人でデートしてる回(配信されてるのでいうと13話目)、あの回が個人的にすごく好きだったりします。 この作品、元はWeb小説だと聞いてそっちも読んだんですけど、その小説を再構成させたのがコミックス版という形になっているみたいで、その13話のデート回にあるアルト君の隠れた凄さを知る機会も、小説版だとリューンのみだったけど、コミックス版だとロイドも一緒に知ることになってるのが良い改変だなと思えた。最初こそ何でお前も一緒なの? とぎゃーぎゃー喧嘩してた男2人だけど、昔から知ってるはずの相手の、アルトを挟んでの、ここまで譲らない所を初めて見た、誰かに執着する所を初めて見たと云い合ってからの、ロイドの照れ笑いがすごい良くてさ……そしてふとした弾みでアルト君が足を挫いてしまってからの「どうせ(呪いが発動して女体化したら傷なんて)すぐ治るんだし」と発言したアルト君に対して、一言だけ投げつけた叱責からの、言葉では色々語らない痛さ苦しさを露わにする表情がたまらないくらい良い。やっぱ良い奴だなこいつとなったなあ、もう頭撫でたくなった。わしゃわしゃしたくなった。呪いの術式を作った、共通の敵と認識した人物には、地位も名誉も捨てる覚悟で2人揃って歯向かっていくし、もうかっこいいじゃん。 だからこそだよ、だからこそ、三角関係物は地雷と云い切れる程度に苦手なんですよ。どっちか選ばなきゃいけないんですよアルト君は。ロイドとリューンどっちも良い奴だし良い人だあとなってるこの瞬間から既に、どっちかが選ばれないってことが辛くて辛くて仕方がない。どっちを選んでも、どっちも選ばなくても、何か3人全員可哀想な事にしかならないじゃない。だから三角関係ものは嫌いだったのにい! レビューとか読んでてよく見かけるのが「リューン派だけど、アルトはロイドとくっつくと思う」っていう意見ね。何かやたらと多くて、もう読者にすら三角関係物の結末の傾向が読まれてる以上に染みついちゃってるよ、良い人が割を食うの悟られちゃってるよと苦笑いが出ました。自分も全く同じ意見を持ったけど、もういっそ2人とも選べばいいじゃん、アルト君はその細腕でこの騎士様らをまとめて抱え込んで囲えばいいじゃんと心から思ってる。原作であるWeb小説も、この物語の結末と3人がどうなるかを知りたくて読んだんですけど、コミックス版も是非同じ結末でお願いしたい。よくこう、原作とアニメで違う結末が用意されてて、一つの作品で二度美味しいイコールどっちも見てね! みたいなことを売りにしてる作品もあるけど、そういうの本当に要らないから! 一粒で二度美味しいなんて思ってるの出版社だけだから! それ遅い朝飯と早い昼飯は一緒だから一食分しか与えないっていってるのと同じだからね!(イミフ) もう本当にさ、誰も不幸にしないでほしいと願ってやまないんですよお……頼むよお。ハッピーエンドが見たいよお。まだ完結してないし続巻が出るかどうかも分からないのに紙書籍版買い揃えてしまったくらいにはハマってしまったんだよお。 つーか正直、男同士で成就って時点でメリバなんだし、両方選んでも大して差はないと思うんだけど、どうしてもどっちかじゃなきゃ駄目なのかねえ。「どっちが好きなの?orどっちが彼氏?」「両方だよ」はダメですか。それが許されるくらいアルト君は呪いで苦労してると思うけどそれでもダメですか。 あとタイトル長くて略し方が分からない、というか掴めない。キーボード叩くたびに長いタイトルを打ちこむのは、間違えちゃいけないと思って神経使う。時代の流行りなんだろうけど、文字を打ち込む側からしたら『けいおん』とか『ゆるゆり』とかがタイトル付けの流行りだった時代が懐かしいですわ。自分の中でのみ便宜上つけてる略称も「騎士様」だからね。アルト君どこ行ったよみたいな略し方だから、何かこうばしーっといい略称があればいいんだけどなあと思ってる。自分でつけられるセンスがあればなあ。 そしてこの作品は、BLなのかTLなのかジャンルが分からない作品なので、かなり良作品ではあるけど、男同士マジ無理とか、女体が嫌とかの人にはオススメ出来ないのが難点なんだよね……。 自分はほら、こう……冷静に考えたらえげつないエロシーンに巻き込まれた可愛い女の子が有り得ない喘ぎ方してても、イケメンがたわわなおっぱいにむしゃぶりついてるシーンも平気だし、女の子にしか見えない男の子とBL展開に突入して主人公(もしくは相手役)見境ねーな!と思いつつも「いい……きゅんとする」といった全部OK嗜好があるので全然楽しめてるけど、どれかがダメという人には本当にオススメしにくい。なので本当に面白い作品なんだけど、面白かったという共感を得たいと思っても、オススメとして挙げ難いのが辛い作品。そうだとしても結末を見届けたいのは確か。まず結末を見ない事にはなんも云えないや。 アルト君の3人目のお相手役?であるヴィゼル館長の「いいキャラしてるわこの人」と感じる、騎士2人には無いあのキャラクターの魅力も、まずはこの物語を終らせないと展開出来ないものだと思うものだし、まずは変に連載の引き伸ばしとかせずに、まずとにかく良い結末を迎えて終わらせてほしい。そこからスピンオフなり第二部なりフルカラー版なりを展開させていけばいいんじゃないかなと、この作品を紙書籍版まで買い揃えてしまった一読者は思いましたです、はい。 追記(20.1.6) 紙書籍版に特典ペーパーなんてものがついてたらしいですね。うわー描き下ろしとかあったのかな、見たかった。2巻特典ペーパーなんて特に「もし呪いを受け取ったロイドが呪いにかかっていたら?」という描き下ろしがあったと聞いてうーわー超見たかったそれ~!ってなりました。やっぱりリューンに相談して毎晩呪い解いてもらうんですかね、ロイド女体化したら。それでアルト君にも知られて大爆笑されるんかな。それはそれで、近親相姦が苦手という自分的NG傾向に引っ掛かる(特にイトコ関係がダメ)けど、そういう事があったかもしれないっていう世界は見てみたかったかもしれない、という気持。 だいぶ経ってからハマる事が多い自分には発売記念特典とか初回限定特典とか縁がないのよ……どこかでポロッと収録されたりしないかなあ。 PR